ブラック企業ランキング2026の結論|公的な順位表はないが、実名リストで確認できる
「ブラック企業ランキング2026」を探してたどり着いた方に、先に結論をお伝えします。気になる会社の名前は、厚生労働省が公表している資料で無料で確認できます。労働基準関係の法令に違反した疑いで書類送検された企業などが、企業名・所在地・違反内容つきで実名公表されており、通称「ブラック企業リスト」と呼ばれています。確認手順はこの記事の中でそのまま使える形で解説します。
ただし、前提を2つだけ押さえてください。ひとつは、国が企業を順位付けした「公式のブラック企業ランキング」は存在しないということ。検索で見かけるランキング形式の情報は、民間による集計や口コミにもとづくものです。もうひとつは、公表リストの読み方に注意が必要だということです。
公表リストを見る前に知っておきたい3つの前提
① 正式名称は「労働基準関係法令違反に係る公表事案」で、国が「ブラック企業」と認定したものではありません
② 掲載の中心は書類送検された事案であり、有罪が確定したことを意味しません
③ 掲載期間は公表からおおむね1年で、その後は削除されます。載っていない=問題がない、ではありません
この3点を踏まえたうえで、実名の調べ方・都道府県別の公表件数・公式ランキングの代わりに使える公開データ・ブラック企業の見抜き方まで順に解説します。
ブラック企業リストに大手企業は載っている?大企業を調べるときの注意点
結論から言うと、厚生労働省の公表事案には、誰もが名前を知る大手企業やそのグループ会社が載ることもあります。ただし、大企業を調べるときは、中小企業とは違う注意点が3つあります。
① 社名ではなく「事業場」の名前で載ることがある
公表事案の一覧は「企業・事業場名称」で掲載されます。支店、営業所、工場、店舗の名前で載っている場合があるため、社名だけで見つからなければ、支店名や「株式会社」を外した名前でも検索してください。
② グループ会社・子会社は別の会社として載る
同じブランド名でも、子会社や関連会社は別の法人です。応募先や勤務先が「どの法人か」を、求人票や雇用契約書の会社名で確かめてから探しましょう。
③ 公表日と違反内容を必ず確認する
掲載期間はおおむね1年で、すでに是正を終えている場合もあります。また、後述のとおり違反の中心は安全対策の不備で、長時間労働やハラスメントの一覧ではありません。名前が載っているかだけでなく、「いつ」「何の違反か」まで読むことが大切です。
大企業でも、労働時間の問題で司法の処分を受けた例はあります。
実際に司法処分を受けた例:電通の過労死事件
大手企業でも例外ではないことを示す代表例が、広告最大手・電通の事件です。2015年、新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺し、大きな社会問題となりました。
その後、電通は労働基準法違反(違法な時間外労働)に問われ、2017年に東京簡易裁判所から罰金50万円の有罪判決を受け、これが確定しています。判決では、労使協定の上限を超える違法な長時間労働が常態化していたことが指摘されました。日本を代表する大企業であっても、労働環境の問題で司法の処分を受けることがあるのです。
このように、「大企業だから安心」とは言い切れないのが実情です。会社の知名度やイメージだけで判断せず、公式リストや客観的な事実をもとに、個別の職場実態を見極めることが大切です。
実名で分かる:厚生労働省が公表する「ブラック企業リスト」
「どの会社が書類送検などで公表されたのか、実名で知りたい」——そう思ったとき、もっとも信頼できる情報源が厚生労働省が公式に公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」です。通称「ブラック企業リスト」と呼ばれ、2017年から公開されています。
これは、労働基準関係の法令に違反した疑いで書類送検された企業などを、企業名・所在地・違反内容とともに国が実名で公表しているものです。リストは毎月更新されており、大きく次の2種類の事案が掲載されています。
- 送検事案:労働基準関係法令違反の疑いで書類送検された事案
- 局長指導事案:労働局長が企業のトップに直接指導し、その旨を公表した事案
掲載の対象になるのは、死亡や重傷を負うような重大な労働災害があった場合や、違法な長時間労働・過労死などが複数の事業場、あるいは本社で繰り返し確認された場合など、悪質性が高いと判断されたケースです。誰もが名前を知る大手企業が掲載されることもあります。
自分で「実名リスト」を確認する方法
気になる会社がリストに載っているかどうかは、次の手順で誰でも無料で確認できます。スマートフォンだけでも完結します。
- 検索エンジンで「労働基準関係法令違反に係る公表事案」+都道府県名を検索する(例:「労働基準関係法令違反に係る公表事案 東京」)。厚生労働省または各都道府県労働局のページが出てきます
- 公表事案のPDF(または一覧ページ)を開く。企業名・所在地・違反法条・公表日が一覧になっています
- ページ内検索で社名を探す。スマホのブラウザなら共有メニューから「ページを検索」、パソコンならCtrl+F(MacはCommand+F)で社名を入力します
見つからないときは、社名の表記ゆれを疑ってください。「株式会社」が社名の前か後ろか、支店名や事業所名で掲載されていないか、旧社名ではないか。「株式会社」を外した部分だけで検索し直すと見つかることがあります。また、勤務先が本社と別の事業場なら、その事業場の所在地の労働局のページも確認してください。
ただし、このリストに載っていない=ホワイト企業とは限りません。公表基準を満たさなかっただけで、労働環境に問題を抱える会社は数多く存在します。あくまで判断材料の一つとして活用しましょう。
【最新】直近1年の公表事案は全国393件|都道府県別の件数と違反の内訳
「実際にどのくらいの会社が公表されているのか」の規模感も見ておきましょう。厚生労働省が2026年9月30日に掲載した全国の一覧(2025年9月1日〜2026年8月31日に公表された事案)を当サイトで数えたところ、掲載は全国で393件、すべてが書類送検された事案でした。
| 順位 | 労働局 | 掲載件数 |
|---|---|---|
| 1位 | 大阪労働局 | 42件 |
| 2位 | 愛知労働局 | 24件 |
| 3位 | 福岡労働局 | 17件 |
| 4位 | 愛媛労働局 | 16件 |
| 5位 | 兵庫労働局 | 14件 |
出典:厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案(令和7年9月1日~令和8年8月31日公表分)」(2026年9月30日掲載)をもとに当サイトで集計。件数は当サイトの集計で、厚生労働省が公表した数値ではありません。
件数は、事案を公表した労働局ごとの数です。事業場の数や産業構成、各労働局の運用にも左右されるため、「件数が多い県=危険な県」という意味ではありません。ちなみに東京労働局は10件でした。
47都道府県すべての掲載件数を見る
| 北海道 | 10件 | 青森 | 3件 | 岩手 | 7件 |
| 宮城 | 3件 | 秋田 | 4件 | 山形 | 6件 |
| 福島 | 8件 | 茨城 | 9件 | 栃木 | 10件 |
| 群馬 | 10件 | 埼玉 | 7件 | 千葉 | 12件 |
| 東京 | 10件 | 神奈川 | 12件 | 新潟 | 11件 |
| 富山 | 8件 | 石川 | 5件 | 福井 | 1件 |
| 山梨 | 4件 | 長野 | 7件 | 岐阜 | 12件 |
| 静岡 | 10件 | 愛知 | 24件 | 三重 | 5件 |
| 滋賀 | 4件 | 京都 | 9件 | 大阪 | 42件 |
| 兵庫 | 14件 | 奈良 | 7件 | 和歌山 | 8件 |
| 鳥取 | 5件 | 島根 | 2件 | 岡山 | 12件 |
| 広島 | 6件 | 山口 | 4件 | 徳島 | 2件 |
| 香川 | 5件 | 愛媛 | 16件 | 高知 | 2件 |
| 福岡 | 17件 | 佐賀 | 3件 | 長崎 | 4件 |
| 熊本 | 6件 | 大分 | 8件 | 宮崎 | 4件 |
| 鹿児島 | 11件 | 沖縄 | 4件 |
合計393件。事案を公表した都道府県労働局ごとの件数です(当サイト集計)。
違反した法律の内訳を見ると、このリストの性格がよく分かります(主な違反法条で集計)。
| 主な違反の法律 | 件数 | 割合(目安) |
|---|---|---|
| 労働安全衛生法(転落防止や機械の安全措置などの不備) | 285件 | 約7割 |
| 最低賃金法(最低賃金を下回る賃金の支払い) | 62件 | 約1.5割 |
| 労働基準法(賃金不払い、違法な時間外労働など) | 44件 | 約1割 |
| その他(上記以外の法律) | 2件 | 1%未満 |
出典:厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案(令和7年9月1日~令和8年8月31日公表分)」(2026年9月30日掲載)をもとに当サイトで集計。件数は当サイトの集計で、厚生労働省が公表した数値ではありません。
つまり、通称「ブラック企業リスト」の中心は、工事現場や工場での安全対策の不備による労災事案です。長時間労働やパワハラがひどい会社の一覧ではないため、オフィスワークの職場の問題は、リストに載っていなくても起きている可能性があります。残業や人間関係が気になる場合は、次の「公開データ」もあわせて確認してください。
公式ランキングの代わりに使える公開データ4つ
「他社と比べてうちはどうなのか」を知りたい場合、順位表はなくても、公開されている客観データを突き合わせれば比較はできます。応募先や自社を数字で確かめたいときは、次の4つが役立ちます。
| データ | 分かること | 使いどころ |
|---|---|---|
| 厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案」 | 書類送検などで公表された企業の実名・違反内容 | まず名前があるかを確認する |
| 職場情報総合サイト「しょくばらぼ」(厚生労働省) | 平均勤続年数、有給取得率、月平均残業時間など | 企業ごとの労働環境を数字で比較する |
| 有価証券報告書(上場企業) | 平均勤続年数・平均年齢・平均年収 | 勤続年数が極端に短い会社を見つける |
| 就職四季報 | 3年後離職率、残業時間、有給取得日数 | 求人票に出ない離職率を確認する |
とくに「平均勤続年数」と「3年後離職率」は、求人票の文言よりはるかに正直な指標です。募集要項が魅力的でも、勤続年数が極端に短い会社は、人が定着しない理由がどこかにあります。
リストに載っていた・載っていなかったときの判断
調べた結果をどう受け止めるかで、次の行動が変わります。
- 応募先が載っていた場合:すぐに応募をやめる必要はありませんが、面接で確認する材料にはなります。「月平均の残業時間」「有給取得率」「直近で労務管理の体制を見直した点はあるか」を聞き、回答が曖昧なら見送る判断もできます。是正を終えている企業も含まれるため、公表日がいつかもあわせて確認してください
- 載っていなかった場合:安心材料の一つにはなりますが、前述のとおり公表基準を満たさなかっただけの可能性もあります。しょくばらぼや離職率など、別のデータとあわせて判断してください
- 内定先が載っていた場合:内定を受けたあとでも、入社前であれば辞退できます。違反の内容と公表日を確認し、不安が残るなら、転職エージェントに相談して、ほかの候補を並行して探しておくと、辞退するかどうかを落ち着いて判断できます
- 勤め先が載っていた・載っていないが実態がつらい場合:リストの有無に関係なく、心身に不調が出ているなら環境を変える判断が優先です。判断の目安は限界サイン15選の記事、自社の状態の点検はブラック企業診断チェックリストが使えます。在職中に次を探すなら転職エージェントの比較、退職を言い出せないなら退職を言い出せない人への記事も参考にしてください
あなたの会社も当てはまっていませんか?
「辞めたいのに言い出せない」「引き止めが怖い」という方は、会社に一度も行かず即日で辞められる退職代行という選択肢があります。運営元や料金の違いを比較してから選べます。
ブラック企業の特徴|リストに載っていない会社を見分ける4つの視点
ブラック企業にはいくつかの明確な共通点があります。これらに複数該当する企業は、ブラック体質である可能性が非常に高いため注意が必要です。

■ 長時間労働(過労死ライン超え)
月80時間を超える残業は「過労死ライン」と呼ばれ、健康被害が急増するリスクがあるとされています。36協定を結ばずに違法な時間外労働を強要するケースや、サービス残業が横行している企業も依然として存在します。
■ パワハラ・モラハラ体質
精神的な圧力をかけたり、人格否定的な指導を常態化させる職場は要注意です。上司の暴言や無視、恫喝といった行為がまかり通っている職場は、社員の精神を蝕みます。
■ ノルマ至上主義
達成が困難な数値目標を毎月課し、未達成を理由に叱責や処分を行う企業では、社員のモチベーションが崩壊し、過重労働に陥ることも珍しくありません。
■ 離職率が異常に高い
新卒の3年以内離職率が極端に高い企業、または常に同じ職種で求人を出し続けている企業は、内部に構造的な問題を抱えている可能性が高いです。
「ホワイト企業」とは何が違うのか?
ブラック企業の特徴を把握する一方で、理想的な職場=ホワイト企業がどのような環境かも理解しておくことが大切です。
ホワイト企業は、労働時間が適正に管理され、年休取得率が高く、上司との信頼関係や社内の風通しが良いなど、従業員にとって働きやすい環境が整備されています。また、教育制度やキャリア支援、評価の透明性などが備わっており、社員の成長や定着率が高い傾向があります。
つまり、ブラック企業を避けるためには「何が悪いか」だけでなく、「何が普通であるべきか」という感覚を持つことも重要なのです。
新卒・若手が狙われやすい理由とは?
ブラック企業は、とくに新卒や若手社員を狙いやすい傾向があります。社会人経験が浅く、労働基準法や業界の慣習についての知識が少ない層に対して、企業側が優位な立場で過剰な要求を行うことが可能だからです。
「厳しいのが当たり前」「若いうちはとにかく努力」といった言葉でブラックな働き方を正当化されることも多く、疑問を持たないまま心身を削られてしまうケースもあります。
若手社員ほど、自らの環境を疑う視点と、信頼できる相談先を確保することが重要です。
【2026年版】入社前にブラック企業を見抜く方法
ブラック企業を避けるには、情報収集と分析がカギとなります。以下の方法を活用して、候補企業の実態を見極めましょう。
- 厚生労働省のサイトで「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を確認する
書類送検などで公表された企業名が一覧形式で掲載されており、直近1年ほどの違反の内容が分かります。 - 企業口コミサイト(OpenWork、転職会議など)を活用する
元社員や現職社員の声がリアルに書かれており、職場の雰囲気や上司の対応、残業時間などを知る手がかりになります。
- SNS(Xなど)で「会社名+ブラック」で検索する
一般ユーザーによる投稿から、表には出ない情報が拾えることがあります。
ブラック企業リストに関するよくある質問
Q1. ブラック企業リストはどこで見られますか?
厚生労働省および各都道府県労働局のサイトで公開されています。「労働基準関係法令違反に係る公表事案」と都道府県名で検索すると、企業名・所在地・違反内容が載った一覧(PDF等)にたどり着けます。閲覧は無料で、登録も不要です。全国分をまとめた一覧は、厚生労働省の「長時間労働削減に向けた取組」のページからも確認できます。
Q2. リストに載っている企業に応募しても大丈夫ですか?
掲載は「書類送検された事案」などが中心で、有罪が確定したことを意味するものではありません。また、すでに是正を終えている企業も含まれます。応募をやめるかどうかは公表日と内容を確認し、面接で残業時間や有給取得率を質問したうえで判断するのが現実的です。
Q3. リストはいつ更新されますか?1年で消えるというのは本当ですか?
公表事案は各労働局から随時追加され、おおむね毎月更新されています。掲載期間は公表からおおむね1年間で、その後は削除される運用です。そのため「今は載っていない」ことが「過去も問題がなかった」ことの証明にはなりません。
Q4. 公式のブラック企業ランキングはありますか?
国が企業を順位付けして公表しているランキングはありません。検索で見かけるランキングは民間の集計や口コミにもとづくものです。客観的に比較したい場合は、この記事で紹介した公開データ(しょくばらぼ、有価証券報告書の平均勤続年数、就職四季報の離職率など)を使うと役立ちます。
もし今の職場に違和感があるなら
今の職場に「少しおかしいな」と感じているなら、それは重要なシグナルかもしれません。職場環境に耐えることが「美徳」ではありませんし、自分の心身を守ることのほうが何倍も大切です。
なお、未払い残業代の請求やパワハラの慰謝料請求まで本格的に進めたい場合は、交渉や法的手続きに対応できる弁護士への相談を検討してください。弁護士が対応する退職代行の違いは弁護士の退職代行おすすめで比較しています。
ブラック企業に、耐え続ける必要はありません
職場環境に耐えることは美徳ではありません。心身を壊す前に環境を変えることが、これからの人生にとって大きなプラスになります。退職を言い出しにくい・引き止められそうなら、退職代行に任せて一度も出社せずに辞めることができます。
退職の選択は決して逃げではなく、「自分を守るための行動」です。特にブラック体質の職場においては、早めに環境を変えることが今後の人生において大きなプラスになります。
退職代行おすすめ15社比較【2026年10月】料金・運営元で選ぶ失敗を避ける選び方
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労働問題を無料で相談したい方は、ブラック企業の相談窓口まとめで悩み別の相談先を確認できます。
更新履歴:2026年10月16日 都道府県別の件数を厚生労働省の最新の公表事案(2026年9月30日掲載)にもとづく集計に差し替え、違反の内訳、大手企業を調べるときの注意点、内定先が載っていた場合の対応を追加しました。/2026年9月 公表事案の確認手順、公式ランキングの代わりに使える公開データ、よくある質問を追加しました。


