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残業時間の上限は月45時間まで?36協定・特別条項と違法になるラインを解説

労働問題

※本記事にはプロモーションが含まれます

「残業は月45時間までって聞いたけど、うちの会社は毎月超えてる」「特別条項があるから大丈夫と言われたけど、本当?」——残業の上限ルールは誤解が多く、「知らないうちに違法な働き方をさせられていた」というケースが少なくありません。

結論からお伝えします。残業の上限は原則「月45時間・年360時間」。労使協定(36協定)の特別条項があれば、臨時的な特別の事情がある場合に限り月45時間超も年6回まで認められますが、それでも超えてはいけない「絶対ライン」があります。この記事で、あなたの残業が合法か違法かを判断できるようになります。

人材業界で働く現役のプロ(退職・転職相談500名超)が、残業時間の上限ルール、特別条項でも違法になるライン、自分の残業をチェックする方法、違法だった場合の対処法まで解説します(2026年8月時点の制度にもとづく解説です)。

残業時間の上限ルール【原則は月45時間・年360時間】

まず大前提から。法律上の労働時間は1日8時間・週40時間まで(労働基準法32条)です。これを超えて働かせるには、会社と労働者代表が「36協定(サブロク協定)」を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。

つまり、36協定なしの残業は、その時点で違法です。

36協定を結んだ場合でも、残業させられる時間には上限があります。

区分 上限
原則 月45時間・年360時間(時間外労働のみ。休日労働は含めずに数えます)
特別条項つき36協定がある場合 臨時的な特別の事情がある場合に限り、協定で定めた延長時間の範囲内で、月45時間超が年6回まで認められる

この上限規制は2019年から段階的に施行された比較的新しいルールで、違反した会社には罰則(6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)があります。「残業上限は努力目標」ではなく、罰則つきの法律です。制度の詳細は厚生労働省の働き方改革特設サイト(公式)で確認できます。

特別条項があっても超えられない「絶対ライン」4つ

「うちは特別条項があるから大丈夫」——ここが最大の誤解ポイントです。特別条項は「無制限に残業させてよい」という意味ではありません。特別条項があっても、次の4つのラインを1つでも超えたら違法です。

  • 月100時間以上(休日労働を含む)
  • 2〜6か月の平均で月80時間超(休日労働を含む)
  • 年720時間超(時間外労働のみ)
  • 月45時間超が年7回以上

「月80時間」「月100時間」という数字は、過労死の労災認定の目安(いわゆる過労死ライン)とも重なる水準です。法律がここを絶対ラインにしているのは、これを超える働き方が命に関わるからにほかなりません。

なお、この4つのラインには例外があります。建設業・ドライバー・医師などは2024年4月から上限規制が適用されましたが、内容は一般業種と異なります。自動車運転の業務は特別条項の上限が年960時間で、月100時間・複数月平均80時間の規制は当面適用されません。医師には年1,860時間までの特例水準があります(新技術・新商品の研究開発業務はそもそも上限規制の適用除外です)。該当する方は本記事の4ラインをそのまま当てはめず、厚生労働省の業種別の案内で確認してください。

残業が月45時間を超えたらどうなる?【ケース別早見表】

「今月、45時間を超えそう」という時に何が起きるのか、ケース別に整理します。

あなたの状況 判定
特別条項のない36協定で月45時間超 違法。協定の範囲を超えた残業はさせられない
特別条項あり・臨時的な事情・年6回以内 協定で定めた時間の範囲内なら適法。ただし健康リスクの高い水準であることは変わらない
月45時間超が年7回目に突入 違法。特別条項があっても回数超過
月100時間以上、または2〜6か月平均で80時間超 特別条項があっても即違法。過労死ラインと重なる危険水準

あなたの残業は大丈夫?セルフチェック4項目

自分の働き方が違法ラインに触れていないか、次の4つで確認できます。

チェック 見るポイント
①36協定はあるか 就業規則や社内掲示で確認。そもそも協定がなければ残業自体が違法
②月45時間超は年何回か 給与明細や勤怠記録で数える。年7回以上なら特別条項があっても違法
③絶対ラインを超えていないか 月100時間以上・2〜6か月平均80時間超・年720時間超・年7回以上のどれか1つでも即違法
④残業代は全額払われているか 固定残業代制でも、超過分の追加払いは義務。「みなし分でカバー」は通用しない

チェックのためにも、タイムカード・PCのログオフ時刻・シフト表・給与明細など、労働時間がわかる記録を手元に残しておくことが重要です。違法性の証明でも、未払い残業代の請求でも、この記録がすべての土台になります。

残業以外にも職場に危険なサインがないか、あわせて確認したい方はこちらもどうぞ。

違法な残業をさせられていた時の対処法

STEP1:記録を集める

勤怠記録・PCログ・業務メールの送信時刻・手帳のメモなど、実際の労働時間を示せるものを集めます。会社の記録が実態と違う場合(打刻後の残業指示など)は、その差がわかる証拠が特に重要です。

STEP2:労働基準監督署に相談・申告する

上限規制違反や残業代未払いは、労働基準監督署への申告対象です。申告は無料で、匿名での情報提供もできます。申告を理由とした解雇や不利益な取り扱いは労働基準法で禁止されています。相談先に迷う場合はブラック企業の相談窓口まとめを参考にしてください。

STEP3:未払い残業代は請求できる(時効は当面3年)

払われていない残業代は、さかのぼって請求できます。賃金請求権の時効は当分の間3年とされているため、放置するほど古い分から消えていきます。金額が大きい場合は弁護士への相談も選択肢です。未払い金の請求まで見据えて退職したい方は、弁護士運営の退職代行という手段もあります。詳しくは弁護士の退職代行おすすめ比較をご覧ください。

STEP4:心身が限界なら、環境から離れる

違法残業が常態化している会社は、是正指導を受けても体質が変わらないことが少なくありません。改善を待つ間にあなたの心身が壊れては本末転倒です。心が限界のサイン15選に当てはまるなら、転職や退職で環境ごと変えることを考えてください。

残業の上限に関するよくある質問

Q1. 36協定がない会社で残業させられています。違法ですか?

1日8時間・週40時間を超える残業を36協定なしでさせるのは違法です。労働基準監督署に相談・申告できます。

Q2. 固定残業代45時間分が給料に入っています。これは合法ですか?

固定残業代(みなし残業代)という仕組み自体は合法です。ただし、実際の残業が45時間分を超えた場合、超過分の残業代を追加で支払う義務があります。また、固定残業代があっても残業時間の上限規制は同じように適用されます。

Q3. 管理職には残業の上限がないと言われました。本当ですか?

労働基準法上の「管理監督者」にあたる場合、労働時間の上限規制の対象外になるのは事実です。ただし管理監督者と認められるには経営者に近い権限・待遇が必要で、肩書きだけの「名ばかり管理職」は対象外です。また、管理監督者でも深夜労働の割増賃金は支払われる必要があります。

Q4. サービス残業の分は今からでも請求できますか?

できます。賃金請求権の時効は当分の間3年のため、過去3年分までさかのぼって請求できる可能性があります。労働時間を示す記録を集めたうえで、労働基準監督署や弁護士に相談してください。

まとめ:数字を知っていれば、違法かどうかは自分で判断できる

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 残業の上限は原則月45時間・年360時間(36協定が前提。協定なしの残業は即違法)
  • 特別条項があれば、臨時的な事情に限り月45時間超も年6回まで認められる(協定の範囲内で)
  • ただし月100時間以上・2〜6か月平均80時間超・年720時間超・年7回以上は特別条項があっても違法
  • 違法なら記録→労基署→未払い請求(時効は当面3年)
  • 常態化しているなら、環境から離れることも選択肢

「みんな残業してるから」「特別条項があるから」という言葉で、違法な働き方が正当化されることはありません。数字というモノサシを持って、自分の働き方を客観的に見てください。

職場の言動がパワハラにあたるか気になる方はパワハラと認定される行為の記事を、行政指導を受けた企業の調べ方はブラック企業の実名リストの記事をご覧ください。

違法残業が当たり前の会社から、抜け出したい方へ

是正を求めても変わらない会社に、あなたの時間と健康を差し出し続ける必要はありません。退職を言い出しにくい環境なら、退職の意思伝達や有給消化の交渉を代行してもらえるサービスもあります。

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