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退職後の健康保険——「任意継続と国民健康保険、どっちが安いの?」は、退職前後で最も多い質問のひとつです。
先に答えを言うと、どちらが安いかは人によって本当に違うため、「両方の金額を出して比べる」以外に正解はありません。ただし、判断の目安と手続きの期限は明確にあります。人材業界で働く現役のプロ(退職・転職相談500名超)の筆者が、選び方の考え方を整理します。※2026年7月時点の一般的な制度内容です。金額は必ずご自身のケースで試算してください。
退職後の健康保険、選択肢は3つ
| 選択肢 | 保険料の決まり方 | 期限 |
|---|---|---|
| ①任意継続(今の保険を最長2年継続) | 退職時の給与水準ベース(全額自己負担・上限あり) | 退職翌日から20日以内 |
| ②国民健康保険 | 前年の所得ベース(市区町村で差) | 退職翌日から14日以内が原則 |
| ③家族の扶養に入る | 保険料ゼロ | 収入見込みなどの要件あり |
まず検討すべきは③です。要件を満たすなら、保険料ゼロの「家族の扶養」が最強。年収見込み130万円未満などの条件があるため、家族の勤務先の健康保険に確認してください(失業保険の受給中は入れない場合があります)。
任意継続が有利になりやすい人
- 扶養家族が多い人——任意継続なら家族を扶養に入れられる(保険料は変わらない)。国保は世帯人数分の保険料がかかる
- 退職前の給与が高かった人——任意継続の保険料には上限があるため、高収入だった人ほど相対的に割安になりやすい
注意点は2つ。申請期限が退職翌日から20日以内と短いこと、そして保険料は在職中の約2倍(労使折半がなくなる)になることです。
国保が有利になりやすい人
- 前年の所得が低い人——国保は前年所得ベースなので、収入が下がった人・働いた期間が短い人は安くなりやすい
- 会社都合などの非自発的な離職の人——倒産・解雇などで離職した場合、前年の給与所得を30/100として計算する軽減制度があります。該当すれば国保が大幅に安くなるケースが多いです
- 2年目以降——退職して所得が下がると、翌年度の国保は安くなります。「1年目は任意継続、2年目に国保へ切り替え」という合わせ技も定番です
結論:比べ方の手順【3ステップ】
- 家族の扶養に入れるか確認——入れるなら原則それが最安
- 任意継続の保険料を聞く——加入中の健康保険(協会けんぽ・健保組合)に電話で確認
- 国保の保険料を試算してもらう——市区町村の窓口へ。非自発的離職の軽減が使えるかも必ず質問
電話2本と窓口1回で、数万円単位の差が見えることも珍しくありません。退職前でも試算はできるので、退職日を決める段階で動くのがおすすめです。退職日そのものの決め方は退職日は月末がいい?の記事で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 何もしないとどうなりますか?
日本は国民皆保険のため、無保険にはなれません。手続きが遅れても、国保の保険料は資格が発生した月(退職の翌日)まで遡って請求されます。期限内の手続きが結局いちばん安全です。
Q2. 病院にかかる予定がなければ入らなくてもいい?
おすすめしません。無保険期間中の医療費は全額自己負担ですし、遡って保険料も請求されます。「入らない」という選択肢は実質ありません。
Q3. 傷病手当金をもらいながらの場合は?
退職後に傷病手当金の継続給付を受ける場合も、健康保険の切り替えは必要です(任意継続でも国保でも受給は継続できます)。詳しくは傷病手当金の記事をご覧ください。
まとめ
- 選択肢は扶養>任意継続 or 国保の3つ。扶養に入れるなら最優先で検討
- 扶養家族が多い・前年の給与が高い→任意継続が有利になりやすい
- 前年所得が低い・会社都合の離職(軽減制度)→国保が有利になりやすい
- 任意継続の期限は退職翌日から20日。ここだけは絶対に忘れない
- 正解は人それぞれ。電話2本+窓口1回の試算で答えが出る
退職後のお金の全体像は退職後にもらえるお金7選にまとめています。
保険の切り替えより先に、「辞める」が進まない方へ
手続きの知識が揃っても、退職を言い出せなければ始まりません。会社に行かずに辞められる退職代行という選択肢もあります。サービスごとの違いを比較して、自分に合うものを選んでください。

