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「退職後にもらえるお金、失業給付だけで終わらせていませんか?」
実は失業給付のほかに、正しく申請すれば数十万〜数百万円を上乗せできる制度が6種類あります。元HR担当者として500件以上の退職相談を担当してきた経験から言うと、退職者の多くが「制度を知らない」「申請が面倒」という理由だけで損をしています。
この記事を読めば、退職後に受け取れるお金の全体像が把握でき、申請漏れを防ぐための行動が取れます。退職前・退職直後にぜひ確認しておくことをおすすめします。
【結論】退職後にもらえるお金は7種類ある
| 制度名 | 受給額の目安 | 主な対象者 |
|---|---|---|
| ①失業給付(雇用保険) | 月10〜15万円程度 | 雇用保険加入者 |
| ②傷病手当金 | 月収の約2/3・最大18ヶ月 | 病気・ケガで退職した人 |
| ③国民健康保険料の軽減 | 保険料の最大7割軽減 | 非自発的離職者 |
| ④住民税の軽減・猶予 | 納付猶予・分割対応 | 失業・低所得者 |
| ⑤再就職手当 | 失業給付残額の60〜70% | 早期再就職者 |
| ⑥職業訓練受講給付金 | 月10万円+交通費 | 収入・資産要件を満たす人 |
| ⑦住宅確保給付金 | 実家賃(上限あり・最大9ヶ月) | 離職後2年以内 |
これらはすべて「申請主義」の制度です。自分から手続きしなければ1円も受け取れません。まず全体像を把握することが最初のステップです。
①失業給付(雇用保険)——退職後の基本給付
一般的に「失業保険」と呼ばれているのがこの制度です(正式名称:基本手当)。退職後に最初に申請するのが、ハローワークを通じた「失業給付」で、雇用保険法第15条に基づき、求職活動を続けながら一定額を受け取れます。
受給金額の目安
- 給付日数:90〜330日(年齢・雇用保険加入期間・退職理由により変動)
- 基本手当日額:離職前6ヶ月の平均賃金の約50〜80%
- 月換算の目安:月収25万円の場合、日額3,700〜4,900円程度(月11〜15万円相当)
失業保険(基本手当)の給付日数は雇用保険の被保険者期間が長いほど増えます。10年以上加入していれば最大150日の給付が受けられます。
自己都合退職と会社都合退職で給付制限が変わる
退職理由によって、給付開始までの期間が大きく異なります。
- 会社都合退職(解雇・倒産等):待機期間7日後から給付開始
- 自己都合退職:待機期間7日+給付制限2ヶ月後から開始
ただし、パワハラ・長時間労働・賃金未払いなどが原因の退職は「特定受給資格者」として会社都合に準じた扱いになります。自己都合か会社都合かの判定が複雑でわからない方は、ハローワークへの申告前に専門家に相談することをおすすめします。
自己都合か会社都合かの判定でお困りの方は、まず専門家への相談がスムーズです。
退職理由の申告や有給消化の交渉など退職手続き全般については、退職時の有給消化を全部取る方法もあわせてご確認ください。
②傷病手当金——病気・ケガで退職した人が見逃しがちな最大18ヶ月給付
在職中に体調を崩して退職した方が見逃しやすいのが「傷病手当金」です。健康保険法第99条に基づく制度で、業務外の病気・ケガにより働けない状態が続く場合に、月収の約2/3が最大18ヶ月間支給されます。
退職後も傷病手当金を継続して受け取るための条件は次の通りです。
- 退職日時点で健康保険に1年以上継続加入していること
- 退職日に出勤していないこと(退職日に出勤すると継続給付の権利が消滅します)
- 退職後も同じ傷病の療養を継続していること
月収30万円の場合、傷病手当金は月約20万円×最大18ヶ月=最大360万円に相当します。
元HR担当コメント:退職相談でうつ病・適応障害の方から多かった失敗が「退職日当日に出勤してしまった」ケースです。引き継ぎを済ませたい気持ちから退職日に出社した結果、傷病手当金の継続受給資格を失った方を複数見てきました。体調不良で退職する方は、退職日の行動について事前に主治医や社会保険の担当者へ相談しておくことをお勧めします。
また、傷病により求職活動ができなかった期間は、ハローワークに申請することで失業給付の受給期間を最大4年間延長できます(受給期間延長制度)。傷病手当金の受給が終わって回復した後に失業給付を申請したい方は、退職後30日以内にハローワークへ延長申請を行ってください。この申請を忘れると、失業給付の受給期限(退職後原則1年)が切れて一切受給できなくなるケースがあります。
③国民健康保険料の軽減——最大7割削減できる申請を忘れるな
会社を退職すると、健康保険から国民健康保険(国保)に切り替わります。国保の保険料は前年収入をもとに計算されるため、退職直後でも在職時の収入に基づいた高額な保険料が請求されます。
しかし、非自発的離職者(会社都合退職者)の場合、国保料が最大7割軽減される制度があります(国民健康保険法施行令第29条の7第2項)。
軽減を受けるための手続き:
- ハローワークで発行された「雇用保険受給資格者証」または「離職票」を用意
- 市区町村の国保担当窓口に持参し、「非自発的離職者の軽減申請」を行う
自己都合退職でも、ハローワークで「特定受給資格者」と認定された場合は同様の軽減を受けられるケースがあります。この申請を見落とすと年間数十万円の差になるため、退職直後に窓口で確認することを強くおすすめします。
元HR担当コメント:HR担当時代、退職者に対してこの軽減制度を案内すると「そんな制度があったんですか」と驚かれることが非常に多かったです。会社側から自発的に教えてくれることはほぼないため、退職者が自分で知識を持っていないと確実に見落とします。
④住民税の軽減・猶予——退職翌年の「住民税ショック」に備える
住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職翌年に高額な請求が来ます。在職中は給与天引き(特別徴収)されていますが、退職後は自分で納付(普通徴収)する形になり、まとめて4〜6月に請求が届きます。
これを「住民税ショック」と呼び、無収入の状態で想定外の高額請求が来るため生活費を圧迫します。
具体的な金額例:お住まいの地域や扶養状況によって異なりますが、年収400万円で退職した場合、翌年の住民税の目安は18〜25万円程度になるケースが多いです。実際の金額は退職前に給与明細の住民税欄から逆算してシミュレーションしておくことをおすすめします。
対応方法:
- 分割払いへの変更:退職後に普通徴収に切り替わることで4回払いに変更可能
- 減額・猶予の申請:収入が著しく減少した場合、市区町村の税務窓口に申請することで猶予・減額が認められる場合がある
退職が決まった段階で、退職月以降の住民税処理について会社の経理担当者に確認しておくことをおすすめします。
⑤再就職手当——早期就職で失業給付の残額が一括支給される
失業給付を受けながら早期に就職が決まった場合、残りの給付日数に応じて「再就職手当」が一括で支給されます。
受給額の計算式:
- 残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合:残余日数×日額×70%
- 残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合:残余日数×日額×60%
計算例:所定給付日数150日の方が40日目で就職した場合
- 残日数:110日(3分の2以上)
- 日額:5,000円
- 再就職手当:110日 × 5,000円 × 70% = 38万5,000円
「失業給付を使い切ってから就職しよう」と考えるより、早期就職で再就職手当を受け取る方が受取総額が多くなるケースが大半です。就職先が決まり次第、速やかにハローワークに申告しましょう。
転職×退職サポート窓口とは?
「転職×退職サポート窓口」は、退職後に受け取れる給付金・補助制度の申請をサポートする専門サービスです。
- サポート内容:受給可能な制度の診断・申請順序のアドバイス・書類準備のサポート
- 専門家体制:給付金申請の専門スタッフが個別対応
- 相談方法:LINEで無料相談。説明会はオンラインで参加可能(所要時間約60分)
- 費用:無料説明会・LINE相談は完全無料。サポート費用が発生するタイミングは事前に明示
「何が受け取れるかわからない」「申請の手順が複雑で不安」という方の最初の相談窓口として活用できます。再就職手当の申請タイミングや失業給付との兼ね合いなど、個人の状況に応じたアドバイスを無料で受けられます。
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⑥職業訓練受講給付金——スキルアップしながら月10万円受け取る
ハロートレーニング(求職者支援訓練)とも呼ばれるこの制度は、国が認定した職業訓練を受講しながら月10万円+交通費が支給される「職業訓練受講給付金」です。再就職に向けてスキルを身につけたい方に有効です。
主な受給条件:
- ハローワークに求職申込みをしていること
- 雇用保険の受給が終了している、または受給できないこと
- 世帯全体の収入が月25万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 訓練を原則として全日程欠席なく受講すること
IT・プログラミング・医療事務・介護・保育・簿記など幅広い職種の訓練コースがあります。無料でスキルを習得しながら月10万円を受給できるため、転職先が見つかるまでの生活費確保にも有効です。
なお、職業訓練受講給付金を受給している期間は、失業給付との重複受給はできません。失業給付の受給が終了した後の選択肢として検討するのが一般的です。ハローワークの担当者に自分のケースで利用できるかを確認することをおすすめします。
⑦住宅確保給付金——家賃を最大9ヶ月、自治体が代払いしてくれる
今すぐ使わなくても、制度を知っておくだけでいざというときのセーフティネットになります。離職後2年以内で、家賃の支払いが困難になった場合に活用できるのが「住宅確保給付金」です。自治体が直接大家に家賃を支払う形式で、住まいを失うリスクを防ぎます。
- 支給期間:原則3ヶ月(求職活動継続で最大9ヶ月まで延長可)
- 支給上限:自治体ごとに設定(例:東京単身者は月4.9〜5.3万円が上限)
- 収入要件の目安:単身世帯の場合、月収13.8万円以下が目安(自治体により異なる)
- 申請窓口:各市区町村の「生活困窮者自立相談支援機関」
収入要件・資産要件はありますが、「まだ大丈夫」と思って放置するより、早めに相談した方が支援の選択肢が広がります。
申請でよくある失敗3パターン——HR担当が実際に見てきたケース
制度を知っていても、申請で失敗して損をするケースが後を絶ちません。退職相談の現場で実際に見てきた失敗パターンを3つ紹介します。
失敗①:傷病手当金と失業給付を同時にもらおうとして受給できなくなった
傷病手当金と失業給付は原則として同時受給できません。「働けない状態」と「求職中(働ける状態)」は矛盾するためです。正しい順番は「傷病手当金を受給し終えた後、回復したら失業給付へ切り替える」です。なお、傷病で求職できなかった期間は受給期間の延長申請(退職後30日以内)でカバーできます。受給の順番と切り替えタイミングを間違えると給付総額が大幅に減るため、事前確認が必須です。
失敗②:自己都合退職で申告して給付制限2ヶ月を損した
パワハラや長時間労働が原因の退職でも「自己都合」で申告してしまい、本来は特定受給資格者として給付制限なしで受給できたはずの2ヶ月分を損したケースがあります。
失敗③:国保の軽減申請を国保加入手続きと別に行おうとして機会を逃した
非自発的離職者の国保軽減は、国保の加入届を提出するタイミング(退職後14日以内が目安)に同時申請する必要があります。「後で申請すればいい」と思って加入手続きを先に済ませてしまうと、軽減を受けられなくなるケースがあります。国保加入手続きの際に窓口で「非自発的離職者の軽減を申請したい」と伝えることが重要です。
これらの失敗を防ぐには、退職前・退職直後に制度全体を把握し、申請の順序と期限を正確に押さえておくことが不可欠です。
まとめ——退職後にもらえるお金は申請しないと1円も手に入らない
退職後に受け取れる主な制度を振り返ります。
- 失業給付(雇用保険):月10〜15万円×3〜6ヶ月、ハローワークで申請
- 傷病手当金:月収の2/3を最大18ヶ月。退職日の行動と受給期間延長申請(退職後30日以内)に注意
- 国民健康保険料の軽減:非自発的離職者は最大7割軽減、国保加入時に同時申請
- 住民税の猶予・分割:退職翌年の高額請求に事前対応、金額は事前シミュレーションを
- 再就職手当:早期就職者に失業給付残額の60〜70%を一括支給
- 職業訓練受講給付金(ハロートレーニング):スキルアップしながら月10万円受給(失業給付終了後)
- 住宅確保給付金:家賃を最大9ヶ月、自治体が代払い
退職後にもらえるお金を最大化するには、全制度を把握した上で申請漏れをゼロにすることが最重要です。「知っていれば受け取れた」制度を見落とすだけで、数十万〜数百万円の差が生まれます。手続きが複雑で不安な方は、まず無料のLINE相談から始めることをおすすめします。
退職後の手続き全般(有給消化・退職届の出し方など)については、退職時の有給消化を全部取る方法も参考にしてください。

