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退職の引き止めで給料アップを提示されたら?残るか辞めるかの判断基準と断り方

退職の手続き

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「辞めます」と伝えたら、上司から「給料を上げるから残ってくれないか」と言われた——。うれしい反面、「本当に上がるのか」「残っても気まずくならないか」「転職先の内定はどうすればいいのか」と迷う人は少なくありません。

人材業界で働く現役のプロ(退職・転職相談500名超)の筆者が、給料アップで引き止められたときに「残るか、辞めるか」を決めるための判断基準と、どちらを選んでも後悔しないための確認ポイントを整理しました。引き止め全般の断り方は退職の引き止めを断る方法と例文で解説しているので、この記事では給料アップの提案に絞ります。

結論|辞めたい理由が「給料だけ」で、条件を書面で確約してもらえるなら残る選択肢もある

判断の目安

・残る選択肢があるのは:辞めたい理由がほぼ給料だけで、上がる金額・時期が書面で示され、上司や職場との関係も悪くない場合

・辞めたほうがいいのは:人間関係、長時間労働、仕事内容、会社の将来など、給料以外の理由がある場合

・どちらでも共通:その場で返事をしない。口約束で決めない。転職先の内定がある場合は、返事の期限を確かめる

給料アップの提案は、あなたの働きが評価されている証拠でもあります。ただ、給料が上がっても、辞めたいと思った理由そのものは消えません。まずは「なぜ辞めたいと思ったのか」をもう一度確かめるところから始めてください。

会社が給料アップで引き止める理由

会社にとって、社員が辞めると、新しい人を採用する費用や、仕事を教える時間、引き継ぎの手間がかかります。経験のある人が抜けると、その分の仕事が周りにかかり、さらに人が辞める心配も出てきます。そのため、今の社員に少し多く払って残ってもらうほうが、会社にとって安く済むと判断されることがあります。

つまり、給料アップの提案は、必ずしも「あなたの将来を考えて」だけで出てくるものではありません。会社の事情もあると知っておくと、落ち着いて判断できます。

残るか辞めるかを決める5つのチェック

1

辞めたい理由は給料だけか

人間関係、残業の多さ、仕事内容、評価への不満、会社の将来への不安など、給料以外の理由が少しでもあるなら、給料が上がっても同じ悩みは続きます。

2

上がる金額と時期は具体的か

「考えておく」「次の評価で」では約束になりません。月額でいくら、いつの給与から、基本給か手当か、まで確認してください。

3

その金額は転職先の条件と比べてどうか

年収だけでなく、賞与、残業代の扱い(固定残業代が含まれているか)、通勤手当や住宅手当、退職金の制度まで比べます。

4

残ったあとの職場の空気は大丈夫か

一度「辞める」と伝えたことで、上司との関係や、昇進・評価に影響が出ないか。周りの同僚とのバランスも考えてください。

5

1年後の自分は、この会社で働いていたいか

給料以外の理由で辞めたいと思った気持ちが、1年後に消えているかを想像してみます。

3つ以上「いいえ」や「分からない」がつくなら、給料アップを理由に残るのは慎重に考えたほうがいいでしょう。

提示された金額が、同じ仕事の相場と比べて高いのかどうかは、外の求人を見ないと分かりません。在職中でも、転職エージェントに無料で相談すれば、自分の経験での年収の目安を確かめられます。

残る場合に必ず確かめたい3つのこと

0. すでに退職届を出しているなら、取り消しも書面で

退職届を提出し、会社が受け取ったあとは、自分だけの判断で取り消すことはできず、会社の同意が必要と考えられています。残ると決めたら、退職の申し出を取り消すことに会社が同意したことも、書面やメールで残しておきましょう。

1. 条件を書面で受け取る

労働契約法4条では、会社と働く人の双方が、労働条件をできるだけ書面で確認するものとされています。口約束のままだと、あとで「そんな話はしていない」と言われても証明が難しくなります。昇給の金額、適用される時期、基本給か手当かを、辞令や労働条件の変更通知などの書面でもらってから返事をしてください。

2. 一時的な手当ではないか

「特別手当」として上乗せされる場合、次の評価で外されることもあります。基本給が上がるのか、手当なのか、手当ならいつまで続くのかを確認しましょう。多くの会社では、賞与や退職金を基本給をもとに計算するため、基本給が上がるかどうかで将来の受け取り額が変わることがあります。計算方法は就業規則や賃金規程で確認してください。

3. 給料以外の不満も一緒に伝える

残ると決めるなら、この機会に、業務量や担当、働き方など給料以外の困りごとも具体的に相談しておきましょう。改善の約束が得られれば、残る判断の裏付けにもなります。

伝え方の例:「ありがとうございます。前向きに考えたいので、昇給の金額と適用時期を書面でいただけますか。あわせて、今の業務量についても相談させてください。〇日までにお返事します。」

辞める場合の断り方|例文

給料アップを断るときは、評価してもらったことへの感謝を伝えたうえで、退職の意思が変わらないことをはっきり言います。理由を詳しく話すと、「では、その点も改善するから」と交渉が続きやすくなります。

例文1:「評価していただき、ありがとうございます。ただ、給料の問題だけで決めたわけではないので、退職の気持ちは変わりません。予定どおり〇月〇日で退職させてください。」
例文2:「ありがたいお話ですが、すでに次の職場で働くことを決めています。引き継ぎは責任をもって進めますので、〇月〇日付での退職をお願いします。」

何度も引き止められて話が進まない場合は、退職届を書面で提出し、記録を残しておきましょう。進め方は退職届の書き方、受け取ってもらえない場合は退職届が受理されないときの対処法で解説しています。引き止めがしつこく、辞めさせてもらえない状態が続くなら、退職代行に会社とのやり取りを任せる方法もあります。

転職先の内定がある場合に注意すること

すでに内定をもらっている場合は、返事の期限があります。会社の提案を検討する間、内定先への返事を先延ばしにしすぎると、相手にも迷惑がかかります。

状況やること
会社の提案を検討したい内定先に「〇日までにお返事します」と期限を伝え、その日までに決める
残ると決めたできるだけ早く内定先に辞退の連絡をする。電話で伝え、必要ならメールでも送る
転職すると決めた会社に退職の意思をあらためて伝え、退職日と引き継ぎの予定を決める

転職先の条件と今の会社の新しい条件を比べるときは、年収の総額だけでなく、仕事内容や働き方、これからの伸びしろも並べて考えてください。転職エージェントを使っている場合は、担当者に相談すると、提示された条件が業界の水準と比べて妥当かも確認できます。

提示された給料は、本当に「上がった」と言える?

今の会社の新しい条件が、同じ仕事の相場と比べて高いのか低いのかは、外の求人を見ないと分かりません。在職中でも、転職エージェントに相談すれば自分の経験での年収の目安を確かめられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 給料アップの提案を受けたら、その場で返事をしないといけませんか?

その場で返事をする必要はありません。「ありがとうございます。考えたいので〇日までお時間をください」と期限を決めて持ち帰り、条件を書面で確認してから決めてください。

Q. 退職届を出したあとでも、残ることはできますか?

会社が同意すれば残れます。退職届を会社が受け取ったあとは、自分だけでは取り消せないと考えられているため、取り消しに同意してもらったことを書面やメールで残しておくと安心です。

Q2. 昇給の約束を口頭でされました。信用していいですか?

口約束だけでは、あとで条件が変わっても証明が難しくなります。昇給の金額、適用時期、基本給か手当かを、書面で受け取ってから返事をするのが安全です。

Q3. 一度辞めると言ったあとに残ると、評価が下がりますか?

会社や上司によって違うため、一概には言えません。気になる場合は、残る条件を話し合うときに、今後の評価や担当業務についても確認しておくと安心です。

Q4. 内定先にはどう断ればいいですか?

残ると決めたら、できるだけ早く電話で伝えます。「検討の結果、現職に残ることにしました。ご期待に沿えず申し訳ありません」と、理由は簡潔で構いません。

Q5. 断ったら会社に居づらくなりませんか?

退職日までの期間は、引き継ぎを丁寧に進めることに集中すれば、大きな問題になりにくいでしょう。有給休暇が残っていれば、引き継ぎを終えたあとに使う方法もあります。

まとめ|給料アップで引き止められたら、理由と条件を確かめてから決める

  • 給料アップの提案は、会社にとって採用し直すより安く済むという事情もある
  • 辞めたい理由が給料だけで、条件を書面で確約してもらえるなら残る選択肢もある
  • 給料以外の理由があるなら、給料が上がっても同じ悩みは続きやすい
  • その場で返事をせず、金額・時期・基本給か手当かを書面で確認する
  • 内定がある場合は、返事の期限を守り、決めたら早めに連絡する

給料アップで引き止められたときは、迷って当然です。大切なのは、目の前の金額ではなく、辞めたいと思った理由が解決するかどうか。条件を確かめてから、自分で決めてください。

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